ユーザーを10円で買い叩いているのでランサーズはもうダメだ
私はランサーズでかつてWeb制作の仕事を受けていたユーザーだ。最近はメインの仕事が別にあることと、ランサーズ上の仕事は単価が安すぎるか、クライアントから地雷臭がするなどまともなクライアントがほとんどいなくなってしまったので、めっきり利用しなくなってしまった。
個人情報を入力させ「10円」の「報酬」を与えるランサーズ
率直に言おう、ランサーズはもうダメだ。アンケート回答のお仕事と称して、ユーザーの個人情報を、たった10円で買い叩いているのだ。
ランサーズはもうダメだ。というか、日本のクラウドソーシング全体がダメなんだろう。サービスを利用しているクライアントが安く買い叩こうとするのは百歩譲ってしょうがない、だが業界を牽引しているランサーズ自身が、クラウドソーシングで頑張って仕事をしようというユーザーを安く、安く買い叩こうとしているから、もうダメだ。
以下は、ランサーズが実施しているアンケートページのスクリーンショットである。
(アンケートページURL : http://www.lancers.jp/questionnaire )
1月28日からこのアンケートを公開しているようだ。20問程度のアンケートであるが、戦慄した。
質問の内容は、基本的なユーザー情報を尋ねるもの
・性別
・年齢
・メールアドレス
・住所(都道府県/市区町村)
・同居人数/お子さまの人数
また以下のようなランサーズの利用状況についての質問も複数ある。(質問内容は原文ママ)
・ランサーズをどういった立場で利用していますか?
・副業で仕事を請けている方に質問です。ランサーズで副業として仕事を請け始めた、理由は何ですか?(複数選択可)
また、以下のような質問は、一体サービスの運用にどのように関わるのか疑問である。携帯会社から調査を依頼されているのか?(質問内容は原文ママ)
・車の所持状況について、当てはまるものをお選びください。
・ご契約されている通信キャリアについて、当てはまるものをお選びください。 ※ 複数契約されている場合、あなたが最も利用している通信キャリアをお選びください。
・保有している携帯電話について、当てはまるものをお選びください。 ※ 複数保有されている場合、あなたが最も利用している携帯電話をお選びください。
ランサーズのユーザーは「10円」をありがたがればいいのか??
ランサーズのことは、ユーザー(ワーカー)としてよく利用していたし、個人的に1サービス、1企業として好きだった。「時間と場所にとらわれない新しい働き方」を広めようと自治体と組んで、様々な活動をしているのも知っていた。子育て中で在宅しなければならないママさんや、体が弱かったり介護などの事情で定職に就けない人にとって、在宅で仕事ができるのはどれほどありがたいかも、身近にそういった人がいたから知っていた。
そんな企業が、ユーザーに「10円」という低価格の「報酬」を突きつけて「仕事」と言い張っている。
なにがお試し案件だ、報酬10円だ、ふざけるな。とても残念に思った。
クライアントがユーザーを買い叩く環境はもともとあったけど。
私は、一昨年まで、趣味と実益(小遣い稼ぎ)を兼ねてランサーズでWeb制作の仕事を受けていた。
経験の浅い自分にとって、クライアントに数少ない制作歴やポートフォリオを見せるのはドキドキした。誰からも仕事がもらえないのではないかと思ったが、だんだん仕事がもらえるようになり、バイトなどに行かずとも在宅でお金を稼げるようになってきた。クラウドソーシングの仕事はそれなりに魅力的だと思えるようになった。
しかし、 次第に一つの問題が生じてきた。クライアントが提示する報酬額が少なすぎることだ。いや、それはクラウドソーシング自体が内包している問題なのかもしれない。とにかく報酬額が安すぎる。制作系の案件は基本的に、他のライティング・文字起こしやアンケート回答・その他作業等よりもこう単価であった。それでも、Web制作の案件でさえ提示される報酬額は相場の半額以下、ということはざらにあった。はっきり言って「買い叩き」が横行している状況だ。
弱者を突き放す「時給120円の仕事でも喜んでやりなさいよ」
他のアンケート回答などの案件の相場を知らないが、
1アンケートに回答して(20問だとして、ちゃんと答えれば1問15秒としても×20問で300秒、5分かかる計算だ)10円ということは、無理やり時給に換算するなら120円。
時給120円の仕事なんて安すぎて、まともな感覚の職場だったらどこにもありませんよ。
先に言ったように、ランサーズを利用するクライアントがユーザーを買い叩くのは百歩譲ってしょうがないと思う。ランサーズはその買い叩きを是正し、ユーザー(ワーカー)を守るべき立場にあると思う。
そのランサーズが、ユーザーに「10円」の「案件」を提示することの意味とは何か。それは「10円の仕事でも喜んでやりなさいよ」とユーザーを突き放すことに他ならないのではないのか。それは在宅ワークを余儀なくされている人を、余計に「弱者」たらしめているのではないか。
長くなってしまった(こんなに書くつもりなかった)が、ランサーズには、このアンケートで自らが示したユーザーへの態度を改めてほしい。ことの重大さをわかってほしい。
本当に、ランサーズにはがっかりした。もうクラウドソーシング経由で仕事はしない。